シンポジウム
趣旨
「教師教育者」という言葉が用いられるようになってから,すでに長い。一方で,教師教育学会における教師教育研究は,主として「教師の育成」や「教師の成長」をめぐる議論が蓄積されてきたものの,それらの議論を担い,制度・実践・研究の交差点に立つ教師教育者の育成と成長に関する検討は,依然として少ない。 本来,この学会において教師教育者をめぐる議論は再帰的である。なぜなら教師教育を論じ,教師の学びやその専門性形成を問うことは,必然的に「私は教師を育てる者としていかに育ってきたのか」「教師教育者自身の専門性はいかに形成され,更新されるのか」という問いへと回帰してくるからである。しかしながら,教師教育者の成長過程や実践知の育成のしくみ,さらにはそれらの理論化は,研究としても実践としても十分に議論され共有されているとは言い難い。 本シンポジウムは,教師教育者の育成と成長を,次の二つの視点から捉え直すことを目的とする。第一に,教師教育者はどのように育ち,いかなる経験や関係性を通して成長するのかという「成長の視点」。第二に,教師教育者の育成をどのように設計し得るのか,どのような育成のアイデアや仕掛けがあるのかという「設計の視点」。これらを通して,教師教育を語る私たち自身が,いま何を課題として捉え,どのように関与しようとしているのかを再帰的な視点を含めて検討する。 加えて本シンポジウムでは,教師教育者を大学・行政・学校という異なる場において教師教育を担う当事者の語りと,それを相対化・接続する解説者の視点とを往還させながら,教師教育者の専門性形成を多面的に描き出す。教師教育を支える人的基盤の再検討は,教師教育の質保証や持続可能性を考えるうえでも避けて通れない。会員・非会員の参加者とともに,教師教育者の育成をめぐる論点を可視化し,今後の研究と実践の協働に向けた足場を築きたい。
日時 2026年9月26日15:00~17:30
課題研究Ⅰ
趣旨
準備中
内容
準備中
課題研究II「教師教育学の研究アプローチ」
趣旨
教師教育学は研究アプローチの多様性を特徴としている。本課題研究は、この「マルチディシプリン」という本学会の特徴にあらためて焦点を当て、研究アプローチという観点から教師教育学の学術的な基盤を確認することを通して、今後の研究を展望し、さらなる研究の活性化をめざすことを目的として設定された。
これまでの研究活動を通して、本学会の学際性が明らかになるとともに、その構成員として、初等中等教育をはじめとする多様な教育の現場で日々の仕事に取り組んでいる「研究的実践者」や、大学等に身を置きながら実践の現場と密に関わる「実践的研究者」が集っていること自体の意義や重要性が明確になってきた。こうした多様な構成員による研究ニーズや、越境的な研究活動・実践活動の実態に着目し、教師教育学の研究アプローチに関する「見取り図」を描くことを通して、本学会ならではのユニークな学術的特徴を明らかにするとともに、今後の研究のあり方について考察を深めることを目標として、質問紙調査、インタビュー調査を含めた研究活動を三年間にわたって推進してきた。
第36回研究大会においては、本課題研究の総括として、教師教育学の現状と今後の展望について、教師教育学の研究アプローチに関する「見取り図」を提案するとともに、参加者との意見交換を行いたい。
<話題提供者>
鹿毛雅治(慶應義塾大学)/木原俊行(四天王寺大学)/須田将司(学習院大学)/高谷哲也(鹿児島大学)/長谷川哲也(岐阜大学)/羽野ゆつ子(大阪成蹊大学)/三品陽平(愛知県立芸術大学)
課題研究Ⅲ
趣旨
準備中
若手研究者育成支援部
【タイトル】若手研究者の葛藤を語り合う —その試行錯誤をコミュニティの知に
【趣旨】
大学院生や若手研究者、現職教員による実践研究は、研究テーマや方法の選択、研究環境、時間的制約など様々な要因によって停滞や行き詰まりを経験することが少なくない。特に教師教育研究は、教育実践と研究を往還して進める必要があるため、研究の設計や分析の段階で個人では解決が難しい問題に直面することが多い。また研究上の悩みや研究過程の試行錯誤を具体的に共有し、相互に助言し合う場をもつことも容易ではない。
本企画では、本学会の若手研究者が直面している研究上の課題や葛藤を出発点として共有し、これを手がかりに参加者同士が対話的に検討し解決する場を設けたい。具体的には、まず若手研究者による話題提供(1人7〜8分程度×若干名)を行い、その後、個人での整理→グループ対話によって参加者が抱える研究遂行上の課題を持ち寄り、互いの経験や視点からアイディアを出し合うことで、研究を前進させる具体的なヒントを得ることを目指す。
また、本企画は大学院生・若手研究者のみならず、教師教育者として若手を指導する立場にある方の参加も歓迎する。若手研究者の実際の困難や研究過程を共有することで、教師教育研究コミュニティにおける世代間の対話を促進し、研究文化の継承と支援のあり方を考える契機としたい。
【対象】
・大学院生
・現職教員で研究を行っている(これから始めようとされている)方
・アーリーキャリア研究者
・若手研究者の指導や支援に関わる大学教員・研究者
【特徴】
・若手研究者自身の研究過程の課題を出発点とする対話型企画
・研究テーマ・方法・研究環境など多様な行き詰まりを共有する場の提供
・世代や立場を越えた研究コミュニティ形成の促進
【話題提供者等】
(調整中)
研究倫理委員会 第6回研究倫理学習会
【テーマ】教師教育研究の多様性と研究倫理
【趣旨】
教師教育研究はマルチディシプリナリーな性格を有し、本学会に所属する会員の社会的・学問的背景もじつに幅広い。
教師教育研究の広がりと深さを担保するこうした特長があるからこそ、学会として研究倫理をさまざまな角度から捉える必要があり、
それによって会員個々が当たり前としてきた意識や習慣を見直す契機にもなっていく。
第12期の委員会は、異なる分野を専門とする7名のメンバーで構成し、この多様性を意識した活動を展開してきた。
今期を締めくくる第6回学習会では、委員会メンバーの経験や専門とするディシプリンに立脚しながら、
各自の視点や関心をもとに、教師教育研究の研究倫理の課題と今後の展望について語る。
さらに、これらの話題提供を手がかりに、会員相互の対話的な議論を通して、
教師教育研究の多様性を生かした研究倫理のあり方を考える機会とする。